外部連携プロバイダ別ガイド

ボイスエージェントと連携できる各外部サービスについて、「何のための連携か」「認証情報をどこで取得するか」「管理画面で何を入力するか」「シナリオでどう使うか」をサービスごとにまとめた取扱説明書です。

認証情報を登録・編集する画面の基本操作(新規登録ボタン、設定一覧の見方、編集・削除)については、「外部連携設定」ページのマニュアルを先にご確認ください。本ガイドは、各サービスの入力値そのものをどう準備するかに焦点を当てています。

NOTE
ボイスエージェントの稼働に必須となる AmiVoice(音声認識) と Gemini(生成AI) の設定は、「外部連携設定」ページのマニュアルで説明しています。
本ガイドでは、シナリオから利用する外部連携サービスを対象とします。

1. 連携の基本的な流れ

どのサービスも、利用開始までの流れは共通です。

  1. 外部サービス側で認証情報を準備する(APIキー発行、OAuthクライアント作成、契約など)。本ガイドの各セクションで手順を説明します。
  2. ボイスエージェントの「外部連携設定」画面で登録する(サービスタイプを選び、認証情報を入力して保存)。
  3. シナリオから利用する。登録した連携設定を、シナリオエディタの各ノードから選択して使用します。

シナリオでの利用形態(サービスの分類)

利用形態 対象サービス 概要
Webhook(システム連携)ノード

 

Salesforce 
Google Calendar
kintone 
ecforce 
日本郵政 デジタルアドレス 
Slack 
Gemini

シナリオの途中で外部サービスのデータを検索・登録・更新したり、通知送信・生成AI呼び出しを行います。取得した値は後続ノードで ${変数名} として参照できます。
SMS送信 ノード Nexway 
AI CROSS 
Accrete
通話中または通話後に、相手の電話番号へショートメッセージ(SMS)を送信します。
RCS送信 ノード AI CROSS RCS(Rich Communication Services)対応端末へ、テキストやリッチカードなどのメッセージを送信します。非対応端末へは SMS で代替送信(フォールバック)できます。
切断・転送ノードの通知設定 Slack 通話終了時やオペレーター転送時に、通話結果の要約やお客様情報を Slack チャンネルへ自動投稿します。

2. Salesforce

CRM 連携です。
シナリオの Webhook ノードから、取引先(Account)・取引先責任者(Contact)・リード(Lead)・ケース(Case)・ToDo(Task)の検索・作成・更新を行えます。
電話で受け付けた顧客情報を Salesforce に記録したり、既存の顧客情報を参照して応対を分岐させる用途に使います。

認証情報の取得手順(Salesforce 側)

本連携は OAuth 2.0 の クライアントクレデンシャル(Client Credentials)フローを利用します。
Salesforce 管理者が以下を準備してください。

  1. Salesforce の 「設定」→「アプリケーション」→「アプリケーションマネージャ」 から 「新規接続アプリケーション」 を作成します。
  2. 「API(OAuth 設定の有効化)」にチェックを入れ、コールバック URL を設定(任意の値で可)、必要な OAuth 範囲(最低限 api)を追加します。
  3. 接続アプリケーションの設定で 「クライアントログイン情報フロー(Client Credentials Flow)を有効化」し、APIを実行する実行ユーザー(連携用ユーザー)を指定します。
  4. 作成後、コンシューマ鍵(Consumer Key)とコンシューマの秘密(Consumer Secret)を控えます。これがそれぞれ Client ID / Client Secret になります。
  5. Login URL には組織の My ドメイン URL(例: https://your-domain.my.salesforce.com)を指定します。Sandbox の場合は https://test.salesforce.com 系、本番標準では https://login.salesforce.com を利用します。

管理画面での入力項目

項目 説明
Login URL 認証エンドポイントのベース URL。My ドメイン URL を指定(例: https://your-domain.my.salesforce.com)。
Client ID 接続アプリケーションのコンシューマ鍵(Consumer Key)。
Client Secret 接続アプリケーションのコンシューマの秘密(Consumer Secret)。

Tips
シナリオでは、認証成功時に ${sf_instance_url} 変数が自動的に使えるようになります。
Webhook ノードの URL を ${sf_instance_url}/services/data/v60.0/... のように組み立てると、組織ごとの接続先を意識せずにレコード操作ができます。
日時項目(datetime 型)はシステム側で日本時間(+09:00)を自動補完するため、2026-05-20 13:00</code
>
のような形式でも正しく送信されます。

3. Google Calendar

予約・スケジュール連携です。
シナリオの Webhook ノードから Google カレンダーの空き時間確認や予定作成を行い、電話での予約受付フローを実現します。

認証情報の取得手順(Google 側)

本連携は リフレッシュトークン方式です。
Client ID / Client Secret / Refresh Token の3点を事前に取得する必要があります。Google 管理者が以下を準備してください。

  1. Google Cloud Console でプロジェクトを作成(または既存を利用)し、Google Calendar API を有効化します。
  2. 「OAuth 同意画面」を設定し、スコープに Calendar 関連スコープ(例: https://www.googleapis.com/auth/calendar)を追加します。
  3. 「認証情報」→「OAuth クライアント ID を作成」から OAuth クライアントを作成し、Client ID と Client Secret を取得します。
  4. 上記クライアントを使って一度認可を行い、Refresh Token を取得します(Google OAuth 2.0 Playground や開発担当が用意するツールを利用)。

管理画面での入力項目

項目 説明
Client ID OAuth クライアント ID。
Client Secret OAuth クライアントシークレット。
Refresh Token 事前に取得したリフレッシュトークン。永続的なシークレットのため取り扱いに注意してください。

CAUTION
予定作成時の日時(dateTime)は、シナリオ側で タイムゾーン付きの形式(例: 2026-05-14T15:00:00+09:00)にする必要があります。
Salesforce のような自動補完は行われません。リフレッシュトークンが失効した場合は連携が停止するため、その際は再取得して設定を更新してください。

4. kintone

サイボウズ kintone のアプリ連携です。
シナリオの Webhook ノードから、kintone アプリのレコードを検索・作成・更新できます。
問い合わせ内容や対応履歴を kintone に蓄積する用途に向いています。

認証情報の取得手順(kintone 側)

  1. 連携したい kintone アプリを開き、「アプリの設定」→「APIトークン」を表示します。
  2. 「生成する」でAPIトークンを発行し、用途に応じて権限(レコード閲覧/追加/編集など)を付与します。
  3. 「保存」後、必ずアプリ画面右上の「アプリを更新」を実行して設定を反映します(これを忘れるとトークンが有効になりません)。
  4. 接続先 URL(例: https://your-subdomain.cybozu.com)と、対象アプリのアプリ ID(アプリ URL 内の数値)を控えます。

管理画面での入力項目

項目 説明
Base URL kintone 環境の URL(例: https://your-subdomain.cybozu.com)。
アプリID 接続先アプリの ID(数値のみ。例: 143)。
APIトークン アプリ設定で発行した API トークン。

NOTE
セキュリティ上、Base URL に指定できるのは cybozu.com / cybozu-dev.com / kintone.com のドメインのみで、https</code
>
通信が必須です。
シナリオエディタの kintone
ノードでは、登録済みのアプリのフィールド一覧が自動的に読み込まれ、検索条件や登録値をプルダウンから選んで設定できます。

5. ecforce

EC・受注管理プラットフォーム ecforce との連携です。
シナリオの Webhook ノードから、顧客・受注・定期受注の情報を検索・作成・更新できます。
電話番号や顧客番号をキーに購入履歴や定期契約状況を参照して応対を分岐させたり、電話で受け付けた内容で顧客レコードを新規作成・更新する用途に使います。

シナリオでできる操作(対象オブジェクトとアクション)

対象オブジェクト カスタム検索 カスタム作成 カスタム更新
顧客 (Customer) ○ ○ ○
受注 (Order) ○ ― ○
定期受注 (SubsOrder) ○ ― ○

認証情報の取得手順(ecforce 側)

  1. ecforce 管理画面にログインし、「メンバー詳細」画面を開きます。
  2. 「API 認証トークン」欄でトークンを発行し、その値を控えます。
  3. ショップの管理画面 URL(例: https://your-shop.ec-force.com</code
    >。末尾のスラッシュは不要)を控えます。

管理画面での入力項目

項目 説明
ショップドメイン ecforce 管理画面の URL(末尾スラッシュ不要。例: https://demo250.ec-force.com)。
API 認証トークン 「メンバー詳細 > API 認証トークン」で発行・取得した値。

NOTE
ショップドメインに指定できるのは 「ec-force.com / ec-force.jp 」のドメインのみで、https 通信が必須です。
トークンの自動更新は行われないため、トークンを失効・変更した場合は本設定を手動で更新してください。
シナリオエディタの ecforce ノードでは、対象オブジェクト(顧客/受注/定期受注)とアクション(カスタム検索/作成/更新)を選ぶ専用エディタが用意されており、検索条件や登録・更新する項目をフィールド一覧から選んで設定できます。

6. 日本郵政 デジタルアドレス

日本郵便のデジタルアドレス/郵便番号 API との連携です。
シナリオの Webhook ノードから、郵便番号やデジタルアドレスを住所に変換したり、住所の正規化・事業所情報の取得を行えます。
電話で聞き取った郵便番号を住所として復唱・確認するフローに使います。

認証情報の取得手順(日本郵便側)

  1. 日本郵便のデジタルアドレス(郵便番号・デジタルアドレス API)サービスを契約し、Client ID と Client Secret の発行を受けます。
  2. API のホスト名(例: api.da.pf.japanpost.jp)を確認します。
  3. API の利用にあたり送信元 IP アドレスの登録が必要な場合は、本番環境の送信元 IP(インフラ担当が把握しています)を日本郵便側に申請します。

管理画面での入力項目

項目 説明
Host API ホスト名(例: api.da.pf.japanpost.jp)。https://</code
>
やスラッシュは付けても自動的に整形されます。
Client ID 日本郵便から発行されたクライアント ID。
Client Secret 日本郵便から発行されたクライアントシークレット。

NOTE
シナリオエディタでは、住所検索用の URL(/api/v2/searchcode/)と、応答から取り出せる項目(都道府県・市区町村・町域・郵便番号・カナ表記・事業所情報など全23項目)があらかじめ候補として用意されているため、ノードの設定が容易です。送信元 IP の登録要件については、本番反映前にインフラ担当へご確認ください。

7. SMS(共通事項)

SMS 送信は、シナリオの SMS送信ノードから利用します。
送信先電話番号とメッセージ本文を指定すると、登録済みの SMS プロバイダ経由でショートメッセージが送信されます。
本ボイスエージェントは Nexway / AI CROSS/ Accrete の3社に対応しており、いずれか契約しているサービスを登録します。

CAUTION
SMS 各社の Base URL(接続先 URL)・APIキー・トークン等は、利用するSMS事業者から提供される値です。
発行・確認方法は各事業者の管理画面やサポート窓口に従ってください。本ガイドでは、ボイスエージェント管理画面に入力する項目を中心に説明します。

8. SMS Nexway

Nexway の SMS 送信サービスとの連携です。

認証情報の取得手順(Nexway 側)

Nexway から提供される 接続先 URL(Base URL)と API Key を入手します。

管理画面での入力項目

項目 説明
Base URL Nexway から提供される SMS 送信 API の接続先 URL。
API Key Nexway から発行された API キー。

9. SMS AI CROSS(絶対リーチ!)

AI CROSS(絶対リーチ!)の SMS 送信サービスとの連携です。

認証情報の取得手順(AI Cross 側)

AI CROSSから提供される 接続先 URL(Base URL)・Token・Client ID・SMS Code を入手します。

管理画面での入力項目

項目 説明
Base URL AI Cross の SMS 送信 API の接続先 URL。
Token AI Cross から発行されたトークン。
Client ID AI Cross のクライアント ID。
SMS Code AI Cross の SMS コード。

NOTE
同一内容の SMS が短時間に重複送信されることを防ぐため、システム側で送信ごとに識別子を付与し、24時間以内の重複を自動的に排除します。

10. SMS Accrete(アクリート)

アクリートの SMS 送信サービスとの連携です。最大660文字までの長文 SMS に対応しています。

認証情報の取得手順(アクリート側)

  1. アクリートから提供された API 接続先 URL を確認します(/json</code
    >
    まで含む完全な URL)。
  2. アクリート管理画面の 「各種設定」→「アカウント情報」→「API 接続送信設定:リクエストID」からリクエストIDを確認します。
  3. API 用のパスワードを確認します。

管理画面での入力項目

項目 説明
API接続先URL (エンドポイント) アクリート社から提供された接続先 URL を、/json まで含めて入力します
(例: https://api.acrt.jp/ibss/api/sms_reg/{アカウントID}/json</code
>)。
リクエストID 管理画面「各種設定 > アカウント情報 > API 接続送信設定:リクエストID」から確認できる値。
パスワード API 用のパスワード。

NOTE
AI CROSSと同様に、送信ごとの識別子により24時間以内の重複送信を自動的に排除します。長文(最大660文字)の SMS を送る場合に適しています。

11. RCS(共通事項)

RCS(Rich Communication Services)は、SMS の進化版にあたるメッセージング規格です。
テキストに加えて画像・リッチカード・ボタンなどを送信でき、RCS 非対応の端末にはSMS で代替送信(フォールバック)できます。
シナリオの RCS送信ノードから利用します。本ボイスエージェントは AI ACROSS(絶対リーチ!RCS) に対応しています。

CAUTION
RCS の利用には、各事業者側でのブランド登録・配信設定(Bot やテンプレート等)が事前に必要です。
接続先 URL・各種 ID・トークン・パスワードは利用する RCS 事業者から提供される値です。発行・確認方法は各事業者の管理画面やサポート窓口に従ってください。

12. RCS AI CROSS(絶対リーチ!RCS)

AI ACROSS の「絶対リーチ!RCS」との連携です。RCS のテキスト送信に加え、AI ACROSS 側で作成したテンプレート送信に対応します。

認証情報の取得手順(AI ACROSS 側)

AI ACROSS から提供される Client ID・Bot ID・X-Token(認証トークン)を入手します。
API のベース URL は通常、既定値のまま利用できます(指定が必要な場合のみ控えます)。

管理画面での入力項目

項目 説明
Client ID AI ACROSS から発行されたクライアント ID。
Bot ID 配信設定を識別する Bot ID。
X-Token (認証トークン) リクエストヘッダ X-Token に設定される認証トークン。
API ベース URL(任意) 省略時は https://richrcs-api.serv.aixmsg.com を使用します。
指定する場合も aixmsg.com ドメイン・https 通信のみ許可されます。

NOTE
シナリオの RCS送信ノードでは、送信モード(テキスト送信/テンプレート送信)と配信タイプ(RCS+SMS フォールバック/RCS のみ/SMS のみ)を選択できます。
送信タスク名は必須です。配信タイプで「RCS+SMS」を選んだ場合は、SMS フォールバック本文が必須になります。
テンプレート送信では、AI ACROSS 側に登録済みのテンプレートと差し込み変数が画面に読み込まれます。送信先電話番号は国内 11 桁形式で指定します。

13. Slack

Slack への通知連携です。シナリオの切断ノード・転送ノードの通知設定に紐付けると、通話終了時や転送時に通話結果の要約などを指定した Slack チャンネルへ自動投稿できます。システム連携ノードからシナリオの途中で通知を送ることも可能です。他のサービスと異なり、認証情報の手入力は不要で、ボタン操作による OAuth 認証で連携します。

連携手順(OAuth 認証)

  1. 「外部連携設定」画面の新規登録でサービスタイプ 「Slack」を選択します。認証情報の入力欄は表示されません。
  2. 「Slack ワークスペースを連携する」ボタンをクリックすると、認証ウィンドウが開きます。
  3. 連携先の Slack ワークスペースを選択し、表示される権限内容を確認して許可します。
  4. 認証が完了すると、Bot Token が自動的に保存され、連携設定が登録されます。

通知先チャンネルの設定

連携後、実際の通知先チャンネルとメッセージ内容は、シナリオ詳細の「通知設定」タブで設定します。

  • パブリックチャンネル: Bot を招待しなくても投稿できます。
  • プライベートチャンネル: 事前にチャンネルへ /invite で Bot を招待しておく必要があります。
  • ダイレクトメッセージ(DM): 非対応です。

CAUTION
Slack 側で App をアンインストールしたり Bot をチャンネルから外したりすると、通知が失敗します。
アンインストール後に復旧する場合は、設定の編集画面にある「Slack で再認証する」ボタンから再連携してください。
通知の成否は通話履歴の通知履歴で確認できます。

Tips
OAuth 認証を使わず、Slack の Incoming Webhook URL を直接指定する簡易方式もあります。
その場合は連携設定画面ではなく、シナリオの通知設定タブで Webhook URL を貼り付けて運用します。

よくある質問


登録したのに「未設定」と表示されます。

認証情報の必須項目が未入力か、値が誤っている可能性があります。
「外部連携設定」画面の「編集」から各項目を再確認してください。
kintone・ecforce で接続できない場合は、Base URL のドメインが許可対象(kintone なら cybozu.com 系、ecforce なら ec-force.com/ec-force.jp)であるか、https</code
>
になっているかをご確認ください。

シナリオから連携先を呼び出すと認証エラー(401)になります。

APIキー・トークンの失効、Salesforce 接続アプリケーションの設定不備、Google のリフレッシュトークン失効などが考えられます。
各サービス側で認証情報を再発行し、本設定を更新してください。Slack の場合は「再認証」ボタンで復旧できます。

SMS が送信されません。

SMS プロバイダの認証情報が未設定の場合、エラーにはならず送信がスキップされます。
SMS送信ノードで指定した連携設定が正しく登録されているか、送信先電話番号・本文が正しく組み立てられているかをご確認ください。

RCS のはずが SMS で届きます。

送信先の端末が RCS に対応していない場合や、事業者側のブランド登録・配信設定が完了していない場合は、SMS フォールバック(代替送信)で届くことがあります。
RCS 事業者側の配信設定状況と、送信ノードの SMS フォールバック本文の設定をご確認ください。

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